Rust


製作 : 廃園  
種類 : フリーウエア
PC版 : Win2000/Me/XP ボイス : なし




主人公は異世界で目覚めた。
薄暗い部屋の中、床には瓦礫が散乱し、家具には埃が積もっている。

ここがどこなのかわからない。

目の前には刺青の男がいた。
ディアボロと言う名前以外の言葉は通じない。

ドアは開かず、外にも出られない。


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この世界の何かを知ると、今までの記憶を失くして行く……と言う、モダンホラーと言うんでしょうか。
グラフィックの完成度が高く、文章が簡潔なスタイリッシュな作風です。
背景やサウンドなど一貫して世界を作っているので、心理的圧迫感がすごい。サウンドのうつろさが恐いです。

出られない部屋、音も生き物の気配もない閉塞感で、次第に圧迫されるような息苦しさが増し、うわーっと叫びたくなります。
何も起こらないのが、逆に心理的に追い詰められる。


最初はどうやって進めるのかわからず、主人公のように途方に暮れて焦ります。

しかし、何かを知ると記憶をなくす。
一体いつ記憶を失くすのか、一歩一歩踏み出す先がわからないと言う、色んな意味で心理ホラーしてます。
しかし、圧迫感と喪失感では中々きっついですね……。

攻略はかなりややこしく、選択肢だけでは進めないので、途中で多分訳がわからなくなると思う…。

最初はノーヒントでも、途中でサイトの攻略を見た方がいいと思います。と言うか攻略なしではクリアできないんでは。
初めの内はともかく、繰り返すと意味がわからなくて疲れて来ます。
なんだか延々と巡らされているだけな気がして、このような構成はかなり屈折してるんじゃないかなーとか…。
相当ヒネた感じを受け、正直言うとイラッとしてしまった…。←やればわかると思います。多分。


ゲームに難解さを求めていない、気軽にプレイしたいだけの人には向いていないと言う事か…。

同人ゲームだからできるとも言え、パズルのように攻略を楽しみたい人には合っていると思います。
けど気軽にゲームしたい人にはややこしく、中々フルコンプができません。
最初は恐かった世界観も段々薄れて来て、もう終わらせてほしいとか思うようになります。


ゲーム中に自分とその周りに対する質問があって、答えが展開に影響するようです。
ここの答えは、「ゲームを進める上での選択肢」だと思った方が、精神上よいかも…。

正直言ってあのような質問は、バックグラウンドを問わずに答えだけ聞いても無意味です。
しかしゲーム上は選ばなくてはならない答えがある訳で…。
何だか、型にはまった価値観の基準を押し付けられたような気がして抵抗がありました。今時?って感じです。

いきなり人の内部に踏み込むようなまねをするのはどうかと。
何故他人にそんな事を聞かれるのか、ムッと来ても仕方ないような感じがします。
一般的な常識ある人なら、無神経に人の内部に踏み込むような言葉は使わないと思う……。
人との距離感の取り方がわかっていないような感じで痛い。

このサークルさんの他の作品は別として、このゲームはあまり好きになれません(他作品とはえらい違いな感想だ)。

ゲームしていてリアルを意識させるのは失敗だと思う。
それくらいわかってほしい。なんかすっごい疲れる……と思ってしまうよなあ…。


インターフェイス周りはスタイリッシュですが、何もない場所にカーソル移動でポップアップなので、
どこにどのアイコンが出るのか最初わかりづらいです。



この時点でまだクリアしていないんですが、いつやるかもうわからないので、これでレビューしました。
これ以上続きをやろうとあまり思わないなあ…。

フリーの同人ゲームに対してきつい事を言いましたが…もう面倒な事ばかりの今時、ゲームくらい気軽にやりたいと思うので…。
このような感想にしかなりませんでした。









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