|| ラブミーテンダー 〜今宵、Barアルバで〜                                        


 PC版 : Win98/2000/Me/XP/Vista
 システム : 既読スキップ シーン回想 CG、BGM鑑賞 
 ボイス : フルボイス




ボリュームは短めの廉価版で手軽な値段ですが、その値段だけの内容もないんじゃないか、これ、と思いました。

何だか書く気がおきないような駄作なんでは…。
決してきつ過ぎではなく、脚本が脚本になっていません。なんとなく設定だけで、何の話の起伏もないまま終わってしまいます。
よくこれでゲームにしようと思ったな。
これがうけないのは、年齢設定がオヤジだからじゃなくて脚本がヘボヘボだからだと思います…。

主人公幸彦は30代には見えません。せいぜい19歳かそこらの精神性しかなく、他40代と言う設定のオヤジもとてもその歳には見えず、
ちゃんとした大人が全然書けていません。
もうその時点でどんな脚本にもならないと思うんですよ…。
Hシーンに大人らしい含みとか、ニュアンス的な物がないのにも、これじゃ大人じゃないだろうーー!と違和感があります。


話の内容は無いのに分岐だけはやたら細かく、そこまでして見たいほどスチルのクオリティはないと思いました。
見掛け倒しのVivid color は話はへぼんでもスチルだけはきれいなのかと思ったら、この作品ではデッサン崩れが目立ちます。
これでスチルだけでもきれいだったらこの価格だしと思えたけど、商業レベルの絵じゃない。


音楽は普通でしたが、ゆったりしたBarっぽい所は落ち着いてグラフィックと合っていたと思います。
インターフェイス周りと背景はきれいです。他のVivid color 作品は背景が??と遠近が狂っていたりしますが、
この作品ではやたら背景が洗練されていました。

はっとしたのは、これテキスト自体はいいんです。
あくまで「テキスト」ですが、さらりとしながらもさり気なく大人っぽい雰囲気を出していて、書き慣れた感じがします。
テキストをこれだけ引っかかりなく書けるこなれ感と、内容の薄さが全然合っていないのが、どうして?って感じにそぐわない。
ラノベでこれだけテンポよく落ち着いた雰囲気のテキストを書ける人って意外といないのに。
声優さんの演技もいいし、なのになぜ話が……ああもったいない。
もう少し話の厚みを出してくれよーー。

まともに作ろうと思ってないんだろうか、これ…。
Vivid color にまともな作品があるかと言うと…だけど。






BACK